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第2回入賞作品


ぼくと せかいの どこかの なにか

2010年6月18日、優秀賞受賞作品の絵本「ぼくと せかいの どこかの なにか」が扶桑社から出版されました。
ぜひ、手にとってこの絵本をお楽しみください。


優秀賞「ぼくと せかいの どこかの なにか」武藤大二郎/Daijiro Muto

ぼくとせかいのどこかのなにか
STORY
あるあさ ぼくが あきかんを けったら
どういうわけか とうさんが かいだんから ころげおちた
ぼくが かべに らくがきを したら
なぜか とつぜん ネコの パリスが たちあがった

もしも ぼくが あきかんを けらなかったら・・・
もしも ぼくが かべに らくがきを しなかったら・・・
そのひは どんな ひに なっていただろう?

自分の行動が、どこかのなにかに影響を与えているとしたら、それはどんなことなのだろう。 結局、地球上のすべてはなにかの影響により起こっているのでは? という作者のとても大きなイマジネーションの世界を楽しく表現。
選評
秋元 康

絵が大好きです。 非常に哲学的なお話だと思います。 絵本はすべてを語れるわけではなく、一部を語ると創造で広がっていきます。 そのまま読んで楽しめる部分と考えて楽しむ部分があるということです。 この作品は考えて楽しい絵本だと思いました。
そして、日常「なんとなく」していることに意味があるんだと感じさせられました。

茂木 健一郎

圧倒的に絵がいい! 線画と鮮やかな色彩を駆使した絵の表現力は注目すべきところです。 子どもは案外、「人が生きてるってどうことなの?」といった哲学的な問いを立ててきます。 こういった絵本が、子どもたちの哲学のめばえを優しくいざない、支えてくれるのではないかと思います。

武田 双雲

すごく好きな作品です。
シュールな世界観があり、物悲しい感じのあるストーリーですが、主役の「ぼく」がマイペースに進めていくところが、むしろ「勇気」をもらえる作品だと感じました。

武藤 大二郎/Daijiro Muto
プロフィール
東京の高尾山のふもとで生まれる。
理工系大学卒業後、精神科病院勤務。 心理学や科学哲学等に興味を持ちつつ、絵も描く。 現在、仕事をやめ、社会福祉士・精神保健福祉士の学校へ在籍中。 その合間に本作品を制作。

受賞コメント
この度、初めて描いた絵本で、いきなり、このような素晴らしい賞をいただいて、とてもうれしく思っています。
私は、子どもの頃、物理学者になりたいと思っていました。 でも、数学が出来ず、挫折してしまいました。 けれど現在、絵本を通して、科学や哲学に通じるような、世界の神秘や豊かさを知ることが出来るように感じています。 この作品も、そういった世界の不思議さを、率直に描いてみたつもりです。 今後、もっと絵や文の練習をして、少年の頃から感じていた、世界の不思議や豊かさ、不気味さといった事を、描いていけたら、うれしく思います。
また今回、絵本を描いてみて、その表現形式の可能性の大きさを、とても強く感じました。 また、すでに様々な素晴らしい絵本が、図書館の片隅に、ひっそりと置かれている事を知りました。 今後、そういった絵本の幅広い魅力を、多くの人に伝えられたら、うれしく思います。