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第3回入賞作品


応募総数1,061作品の中から、第1次選考・第2次選考・最終選考を経て、
大賞1作品・優秀賞2作品・特別賞1作品が決定いたしました。
たくさんの素晴らしい作品をお送りいただき、誠にありがとうございました。
 


優秀賞(創作童話)朝岡 布美子/Fumiko Asaoka

STORY
むかし、人の行き来もない山奥の貧しい村に旅の商人がやってきました。
去年は凶作だったので今年こそは豊作になってくれと祈る村人たちに 商人が「どこの村でも」使っている「神様の力を持つ手ぬぐい」を売ります。
村人たちはそれを信じて手ぬぐいを買うのですが・・・。
ストーリーの中に読む人の心をひきこむ力を持った作品です。
選評
秋元 康

いままで、絵がない「創作童話部門」というのはかなり不利でした。
しかしこの作品では、はじめて「たぶんこうなんだろう」という明確な映像が1枚1枚ページをめくるように頭の中に思い浮かびました。 ですから、もしこれに絵がついていたら、大賞になったかもしれませんし、逆に駄目だったのかもしれません。 でもいずれにせよ、今までの中で一番素晴らしい創作童話ではないかと思います。(談)

茂木 健一郎

文字だけの作品というのはどうしても不利になりがちですが、この作品はまさに言葉だけで、 豊かでふくよかなひとつの世界が描かれており、非常に素晴らしい作品だと思います。 人々のずるさと愚かさを描いているのですが、最後は人間を肯定している。 子供が読む物語というのはそういうものじゃなくちゃいけないなと思います。 子供って別にきれいごとを読みたいわけではなく、世の中の人間とはどういうものなのかということをありのままに感じたい、 という気持ちがあると思うのですが、やはり最後はどんな人間も肯定するという、その温かい視点が素晴らしい作品だと思います。(談)

武田 双雲

今まで、文章だけの作品でそんなにぐっときたものが無かったのですが、この物語は、
その世界の中に引き込まれ、かつ今まで見たことのない意外なハッピーエンドだったのがすごく魅力的で、 絵本部門の作品と十分戦える力を持っている作品だったと思います。(談)

朝岡 布美子/Fumiko Asaoka
プロフィール
名古屋大学理学部を卒業し製薬研究所に勤務。退職後、子供に読み聞かせるうちに絵本や童話のとりこに。 今は3人の子育てに追われながら、そこから素材を抽出してお話を作ることを楽しんでいます。

受賞コメント
子供の頃、科学の話をワクワクしながら聞きました。体の中の見えないくらい小さい細胞の話や、遠い遠い見えない星の話です。 そんな私が童話を書きたくなったけれど文学なんて全くの素人。でも人間の心も目に見えないことは科学と同じ。 それを支えに小さなお話を書き続けています。見えないものに目をとめてみます。すると平凡な、 時にはつらい日常がちょっと楽しくなります。見えないものを感じられる…そんなお話を書けるようになりたい。 それがいつか絵本という形になって、たくさんの子供の心と大人の心をちょっと楽しくできたらと夢見ています。
今回のお話のきっかけは子供との会話です。子:「これ買って。みんな持ってるもん。」
母:「みんなと同じなら満足なの?」
どうすれば本当に満足できるのか、その答えを探しながら書きました。すばらしい賞をいただいて、 このお話をちょっと楽しんでいただけたかなと、うれしく思っています。