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第6回入賞作品


応募総数747作品から、第1次選考・第2次選考・最終選考を経て、大賞1作品 が決定いたしました。(入賞作品は今回該当作無し。)
たくさんの素晴らしい作品をお送りいただき、誠にありがとうございました。
 
大賞受賞作品「ウォールズ」は扶桑社より絶賛発売中です。 くわしくはWEB SHOPをご覧ください。
 
be絵本大賞事務局
 


大賞「ウォールズ」ありま三なこ / Arima Minako

ウォールズ
STORY
壁のまわりにいろいろな生き物がやってきました。そしてかれらは、その壁について語り始めます。壁に支えられたり、助けられたり・・・思い出をみんなそれぞれに語り合います。淡々とした語りながら人の心に静かな感動を与える作品です。
選評
秋元 康

僕が一番感じたのは、この絵本の作者、ありまさんからほとばしるエネルギーです。誰のために描いているのかではなく、自分が描きたいことを描いているということがすべてから見受けられましたし、そこにエネルギーを感じました。僕らのような仕事では、どうしても対象となる人を考えてしまいますが、まず、自分が描きたいものは何なのか、何をメッセージとして伝えたいのかということを、この紙にぶつけるように描いてあるのがすばらしいと思いました。ですから、あまり細かい説明もない。こうこう、こうでという説明よりも「なくなるんだって?」という台詞から始まるところもすごく好きですし、最後の場面も好きです。つまり100人の読み手がいたら100通りの読み方ができるというのがこの作品のすばらしいところだと思います。今年は特にすばらしい作品が大賞をとりました。(談)

茂木 健一郎

現代アートに近い感覚を感じました。たとえば、この絵の壁に描かれているグラフィティーなどは、実際、現代アートの世界でも、いろいろなところの壁に絵を描くアートがすごく注目されていて、そういうところも見えている人なのだろうと思います。be絵本大賞はこれまでいろいろな作品がありましたが一番世界の今の感覚に近いと思います。 人類は、実際にある壁だけではなく、心の中の壁だとか社会の中にある壁だとか、自分の中にある壁に悩まされている訳で壁というものが邪魔だと思うのですが、この作品がすごいのは、「壁がわれわれを助けてくれることもあるんだよ」「壁、ありがとう」と言ったら、壁がなくなってしまう。ある意味で、これまでの壁というものについてのわれわれの固定観念を破ってしまった。壁についてのわれわれの固定観念が壁だったみたいな。これはひょっとすると世界135か国同時刊行みたいなことも有りうるのかなと思わせる本当にすばらしい作品です。ずっとbe絵本大賞の選考委員をやらせていただいてよかったと思える作品でした。(談)

武田 双雲

この作品は正直、嫉妬するぐらいの表現力で、実は、僕もこれにインスパイアされて壁という作品でひとつ大作をつくってみたいなと思ったほどです。アーティストに影響を与える力を持っている人だと思います。人間の根源的でシンプルなものにアクセスしつつ、現代の最新のフローと人類共通のフローを両方ちゃんと捉えているところと、誰もが共感できるような絵と、暗すぎず明るすぎずと、実はバランスもいいですよね。 最初は、大人すぎて絵本にはむかないのではと思ったのですが、秋元さんの言葉を聞いて、絵本という概念にとらわれていたなと感じましたね。絵本から始まる映画、小説、この壁という世界観を基にいろんなアーティストが音楽を作ったり、映像を作ったりするぐらいまでコンテンツとして広がっていくようなものすごいパワーを持っていると思いました。今までの中でも異質で破壊力のある、世界に通用する作品だと思います。すばらしいです。(談)

ありま三なこ / Arima Minako
プロフィール
1987年生まれ、愛媛県出身。子供の頃から絵を描くことが好きで、大学の卒業制作でしかけ絵本を作り、それから絵本に興味を持つ。現在、絵本づくり、グループ展やイベントへの出品等でアーティスト活動を行っている。ロマンチストであまのじゃく。シュールでかわいいものと動物が好き。
 
受賞コメント
ある時、私は壁という無機質なものに触れた時に、何とも言えない感情になったことがありました。説明できない感情でしたが、それを伝えたいと思い絵本で表現しました。 ある人はへんな絵本と言い、ある人は哲学的だと、またある人はかわいいと微笑んでくれました。捉え方は人それぞれ。 字数が少ない絵本だからこそ表現できた作品です。 私の作品は少しヘンテコで、でもとてもロマンチックで、まさに私そのものです。 今回このような素晴らしい賞をいただき大変自信に繋がりました。 ありがとうございました。これからも貫いていきます。